◆◇◆惨劇の五芒星事件(2022年)◆◇◆

《出来事》

血の人形・再来事件よりわずか2年。
2022年3月16日、早朝の中学校で5名の生徒が意識不明の重体に陥った。
事故ではない。
生徒たちは、鋭利な刃物を用いて、お互いを傷つけ合ったのだ。
しかも、現場には彼らの血を使って描かれた五芒星が残っていた。
警察は生徒5人が互いに刺し合ったものとみて、捜査を続けている。

《管理人イマオカによる考察》

この事件の初報を聞いた際、管理人の脳裏にはあの事件の記憶が蘇った。
『血の人形事件』の再来から2年。
まだ10代前半の子供が5人でお互いを斬りつけ合うなど、尋常ではない。
加えて自分たちの血を用いて五芒星を描くという異常な行動。
こうした要素は、あのおぞましくも興味深い、『血の人形事件』と同じ匂いを感じさせる。
『惨劇の五芒星事件』は『血の人形事件』の影響下にある事件ではないだろうか。

ではどのように関係しているのかを考察していこう。
目を惹くのは、やはり「人血で描かれた五芒星」の存在だ。
五芒星といえば、古くは紀元前3000年のメソポタミアでも使用が確認されている由緒正しい呪術的な意匠である。
解釈によりさまざまな意味を持つ文様だが、エジプトでは子宮の象徴として扱われるという。
子宮とは子を孕み、産むための器官である。
犠牲者たちが残した人血で描かれた五芒星は『血の人形事件』の鍵となる存在、シラノを現世に呼び出すための儀式に必要だったのではないだろうか。
『血の人形事件』において、身体を捧げられたシラノ。
物理的な実体を得た存在が、この世に生まれ落ちることを望むのは、想像に難くない。

また、五芒星といえば日本にも縁の深い人物が存在する。
平安時代の伝説的な陰陽師、安倍晴明だ。
もしかするとシラノとは、安倍晴明本人、もしくは、晴明の作り出した式神のような存在なのかもしれない。
それならば、召喚するための魔法陣が、五芒星であることにも説明が付くだろう。

▼2022年、惨劇の五芒星事件の犠牲者一覧
・Y.S(1年生・女子・事件現場の中学校生徒)
・K.M(1年生・男子・同校生徒)
・T.T(2年生・男子・同校生徒)
・M.N(2年生・女子・同校生徒)
・A.S(3年生・女子・近隣中学校生徒)

・事件の発見は10時頃。発生は6時頃と見られている。
・犠牲者はいずれも漆ヶ原中学校の屋上で発見されており、現場には犠牲者の血で描かれた巨大な五芒星が残っていた。

※プライバシーに配慮し、イニシャルのみの表記としている。